貸倒損失として処理できる場合 2008.05.15
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事業活動には売上代金の回収が不可欠ですが、取引先の状況により債権の回収が困難となることがあります。このような場合、債権回収の努力をするのは当然ですが、回収不能になった場合には貸倒処理をすることになります。しかし貸倒処理には恣意性が介入しやすいとの理由から、税務上は貸倒損失として処理できる場合について要件を定めています。


税務上の貸倒損失の要件

法人の金銭債権について、次のような事実が生じた場合には、貸倒損失として損金の額に算入されます。

1.金銭債権が切り捨てられた場合

次に掲げるような事実に基づいて切り捨てられる金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入されます。
(1)会社更生法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、会社法、民事再生法の規定により切り捨てられる金額
(2)法令の規定による整理手続によらない債権者集会の協議決定及び行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準によって切り捨てられる金額
(3)債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して、書面で明らかにした債務免除額

2.金銭債権の全額が回収不能となった場合

債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合は、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理することができます。ただし担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ損金経理はできません。
なお、保証債務は現実に履行した後でなければ貸倒れの対象とすることはできません。
また、貸倒処理は全額を計上しなければならず、一部のみを計上した場合は、損金否認となります。

3.一定期間取引停止後弁済がない場合等

次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対する売掛債権(貸付金などは含みません)について、その売掛債権の額から備忘価額(1円)を控除した残額を貸倒れとして損金経理をすることができます。
(1)継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため、その債務者との取引を停止した場合において、その取引停止の時と最後の弁済の時などのうち最も遅い時から1年以上経過したとき
ただし、その売掛債権について担保物のある場合は除きます。
(2)同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない場合


事実証明書類の整備

以上のように、貸倒損失の計上には、一定の要件を満たす必要があり、計上する金額も定められています。裁判所や債務者からの通知書、債権者集会の協議決定通知書、支払督促や内容証明郵便の控え書類など、取引事実の記録を残し、これら法務書類の整備保管もしておきましょう。




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